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植木夫妻の家づくり日記 後編 「10月 新米購入と神棚を祭る」

2011年1月12日 10:28 PM カテゴリ: レポート from 現場

2010年10月 新米購入と神棚を祭る

■新米購入
今年は猛暑のためお米の出来がいまひとつらしい。米どころ新潟もかなり厳しいとか。
ただ会津田島あたりはほどほどに雨が降ったので、出来はまあまあとのこと。
今年も湯田さんの親戚の米農家の方から1年分の新米を購入するため、10月22日、会津田島に向った。
今回は、二本松の東和地区に移住された関夫妻に会うことになっている。
関元宏夫妻は元農林省のキャリアで、その経歴を捨てて東和地区で有機農業を始めたと注目されている夫婦だ。
福島移住者ネットワークで知り、コンタクトを取って会うことになった。まだ30代と若い。会うのが楽しみだ。
早朝横浜を発ち、9時過ぎに針生に到着した。芳賀沼製作を訪ね、作業場を除くと湯田さんがすでに仕事をしていた。
しかし、湯田さんは私たちがお昼頃着くと思っていたらしく、早い到着に驚いていた。
米農家の方も午前中は外出していて連絡がつかない。
私たちもちょっと戸惑ったが仕方ないので、ちょっと近くを散策にでもいくことにした。
その前に事務所を覗くと社長がいらしたので、神棚を設置することになったことを伝え、
神棚に祭られている「三社」に入れるお札についてどうしたらいいのか相談に乗っていただいた。
真ん中も社はが「伊勢神宮」で、右が氏神様で、左はその家で独自に信仰している神様を祭るのだが、
そのお札はどう入手したらいいのかというもので、社長は「地元の神社にお願いすれば、購入できる」と教えてくれた。
日本の神道は多神教であり、大雑把にいうと天の神(伊勢神宮)と地の神(出雲大社)で構成されている。
そういう複雑(?)な事情もあって神棚は二社だったり三社だったりするらしい。
社長は毎年、伊勢神宮と出雲大社に参詣にいくのが恒例だそうだ。
10月は出雲大社においては特別な月で、日本各地の八百万(やおよろず)の神が出雲に大集合して会議を行うらしい。
全国の地の神がこの会議出席のため出張し、神が不在となってしまうので、10月は神無月という。
ただ出雲だけは「神有月」となる。
年に一度の神々の総会みたいなものなのだろうか? ちょっと面白い。

■古民家レストラン見学と米農家猪俣さんとの出会い



お米を引き取りに行くまで時間があるので、湯田さんのアドバイスで荒海に芳賀沼製作で
古民家再生を手掛けた「古民家レストラン」に行ってみることにした。
途中、妻の希望で「勝三窯」に寄って、焼き物の器を購入した。
古民家と歴史博物館は田島から山王峠に行く途中の荒海宿にある。
街道に看板があり、そこは奥会津の歴史博物館の敷地内にいくつかの古民家を再生したもので、そのひとつがレストランになっている。
博物館の受付の男性に聞いてみたら、「レストランの蕎麦は特別に栽培した蕎麦を使った十割蕎麦で、かなり美味しい」ということなので、
お昼はここで「天ぷらそば」を頂いた。天ぷらも珍しい山菜が揚げてあって美味しかった。
お客が少なかったこともあってレストランで食事を運んでいた仲居さんと話してみたところ、針生からきていることが分った。
もちろん古民家レストランを再生した「芳賀沼製作」もよく知っていて、私たちが芳賀沼製作に家を建ててもらったと話したら驚いていた。
その方は針生でも奥の方…スキー場に近いあたりらしい。
「芳賀沼製作の社長さんのお宅よりさらに雪深いところなので、出てくるのが大変」と明るく笑いながら応対してくれた。
歴史博物館を見学し、また針生に戻ってきて、湯田さんの親戚の米農家さん「猪俣さん」を訪ねたところ、
ちょうど病院での診療を終えて戻っていらしたところだった。
まずは、妻の友人など、頼まれた人の分を郵便局に持っていって郵送の手配をする。
また一部は精米して送るようにした。その後、再び戻ってお米を積んだところで、猪俣さんから「お茶のお誘い」を受けた。
いろいろお話を伺ったところかなり変わった経歴の持ち主で、生まれは東京・豊島区、それも池袋界隈だという。
ラーメン屋に勤めていて、その後親戚のつてで会津に移り住んだ。
しばらくは喜多方あたりのラーメン屋を転々として仕事をしてから、米農家に転身したそうだ。
よく話す陽気な方だった。米の他、かぼちゃやさつまいもまでいただいた。夕方になって美郷へ向う。
米270キロは重い。時速60キロほどしか出ないため、後方の車を何度も見送った。
あまりの重さに少しは軽くしようと途中、30キロほどコンビニから宅配で家に送り、やっと福島に辿り着いた。
美郷の家に到着すると駐車場に薪が積んであった。小倉さんの傷もきっと癒えたのだろう。

■神棚設置と関さん宅訪問
翌日は、いよいよ三社のお社を棚の上に祭った。そして家の周囲を草刈して、午後は国分さんのお宅へ。今回はエゴマの収穫を手伝った。

エゴマはしばらく干した後、奥さんが手作業でエゴマを選別するとのこと。敷地の真ん中は、前の週に田口氏がイベントで菜の花の種を植えたそうだ。
冬に向かい、そろそろまた竹林の間伐と竹チップ作りをしなければという話になった。

今年は去年よりさらに大きな「粉砕機」を購入したので、「伐った竹を、長いまま粉砕機にかけられる」と国分さんは得意げだった。
来月あたりから「竹チップ」作りを始めるとのこと。楽しみだ。
あっという間に2日が過ぎ、横浜に戻る前に先に連絡していた関さん宅を訪ねた。家の前で挨拶をするととてもフランクに迎えてくれた。奥様もいらしたのだが、2歳のお子さんを連れて運動会に出かけられた。
農業や地域活性化の話など、いろいろな話題で盛り上がった。農業だけでなく、地ビールを作ろうとしたりして地域のコミュニティーに溶け込んでいっているのが、とても良い印象を受けた。

有機農業をされているので、有機アスパラを栽培している国分さんの話もしてみた。竹チップの粉砕機の話をしたら、

「竹チップはとてもいいと私も聞いてはいるんですけど、あの機械はとても高いんで、購入するのがむずかしいんですよね。粉砕機があるなんてうらやましいな~」と感嘆していた。
岩代と東和はすぐ隣の地区だ。お隣同士、今後情報を交換しながら地域の農業が盛り上がっていったら良いかもしれないと感じながら、関さん宅の訪問を終えた。

11月は私の以前の職場の同僚が2人訪ねてくることになっている。その頃は二本松の菊人形展がまだ開催されているので、二本松観光にでも行ってみようと思う。

「11月 竹チップ作りと友人訪問」

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