福島県古殿町天しぼ研究会 ログハウス製作状況視察
昨日、県内で活動しております古殿町天しぼ研究会、古殿町役場産業振興課が、弊社にログハウスの製作状況視察で本社へお越しになりました。
天しぼ(テンシボ)とは、名前の通り天然絞り丸太の略称だそうで、写真に載っているのが古殿町で作っている天然絞り丸太材です。
絞り丸太は、表面に波状の縦皺のある杉の丸太で、主に床柱(とこばしら) として使用されています。天然物はとても高級品ですが、近年、模様の面白さから和風のモダンなマテリアルとしても注目されています。
どのようにしたら、絞り丸太や県産材を売り出すきっかけとなるか、そのような思いで弊社に視察でいらっしゃたようです。
最初、簡単な会社の説明をしてから工場内の見学へ。まず、弊社の加工場を案内しました。
弊社で扱っている造作材・化粧材を見てもらいました。
工場長の挨拶後に弊社のログ材加工様子をみてもらいました。
円柱加工機がフル回転します。
ノッチを加工して、製材したての丸太ログ材を組んでみました。
今回は直径220mmの丸太材の実演でしたが、絞り丸太は、1本の製品ができるまで数十年かかるので、「これはすごい」とログ材のマシンカット加工時間の効率の良さには、驚いたようです。
また弊社が30年前に施工した国産材のタイコ積みのログ建物も見学してもらいました。芳賀沼製作の初期の建物です。
今は、周辺地域の集会所的な建物になっています。長年、バーベキューやたばこの煙で燻されて、いい色合いになった建物です。
天しぼ研究会の方々にも「これは山小屋だな~。なんか懐かしい、落ち着く」といったような声があがりました。
そして、次は芳賀沼製作最新の建物へ見学。こちらは、何回かご紹介しているロハスの家です。
こちらは、芳賀沼製作新しい試みをした建物で、150角材を縦に組んでいる建物です。
(完成写真はこちらのページでご覧になれます★南会津町ロハスの家 完成★)
この建物は杉の5m材を使用しておりますが、木材製品だと4m材でないと、なかなか供給が難しいのでは?という質問がありました。
質問の通り、復興住宅などでは4m材での供給を目指しており、現在、福島県郡山市にこの同じ工法で4mものの角材で建築を予定していることを説明しました。
地下の地熱を利用した住宅で、現在、実験棟として実際に人が住んで1年を通して朝昼晩の気温の違い、木の収縮などデータを取っております。
ログ材では、木の収縮があるので定期的にログ材をつなぐボルトを占めるのですが、この横ログも縦ログは木が建物になじむまで1年半はかかるのでは?と予想しております。
天しぼ研究会さんより「天絞でこの家を作ったら坪100万円以上の家になって、高級すぎて手が出せないな~」など話がでて笑いが起きましたが、 この工法でも化粧柱として天絞を使用する可能性や今後の県産材の活用など意見交換をした場となりました。
環境資源ということだけではなく、経済的な資源でいろいろな視点から木材の活用を考え、その結果、木材需要が増えていけば良いと思います。 同じ県内で林業を携わっているということですので、県及び建築業界にPRして需要を拡大していきたいですね。
文責 佐々木かおり